奥谷南遺跡
奥谷南遺跡は初め縄文時代の岩陰遺跡と考えられていましたが、調査によって岩陰の存在する谷部の北斜面では竪穴建物跡2軒と段状遺構12基などが確認された弥生時代中期後半の高地性集落と弥生時代後期末の土坑墓6基と土器棺墓1基、近世の儒墓が発見されています。
北東側では古代の山岳寺院跡と考えられる掘立柱建物跡、土坑、須恵器の窯跡が確認されました。窯跡はロストル構造を持っており、高知県では初めての発見例です。さらに、谷部でも縄文時代中期の貯蔵穴群が確認され、中からはナラ・カシなどの堅果類が出土しています。
岩陰部の調査では縄文時代の遺物包含層の下から旧石器時代の石製品が多量に出土し注目されました。岩陰は1個しか現存していませんでしたが、元々は隣接してもう1個の岩陰があり、その基礎部を中心とした範囲から旧石器時代の細石刃などが出土しました。使用される石材は在地産のチャートであることから当遺跡は細石刃の製作遺跡と考えられます。当遺跡の調査は、これまで空白地帯であった南四国の旧石器時代を考える上で非常に重要な発見となりました。
- 所在地
- 南国市岡豊町小蓮 GoogleMAPで表示
- 主な時代
- 旧石器時代・縄文時代・弥生時代・古代・近世
- 主な遺構
- 竪穴建物跡・掘立柱建物跡・段状遺構・土坑墓・土器棺墓・儒墓・窯跡・焼土集中地点・貯蔵穴
- 主な遺物
- 角錐状石器・ナイフ形石器・細石刃・細石刃核・槍先形尖頭器・縄文土器・弥生土器・須恵器・唐津焼
基本情報
備 考
その他の遺跡
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- 名称:
- 高知城跡
- 場所:
- 高知県高知市丸ノ内
- 時代:
- 近世
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- 名称:
- 具同中山遺跡群
- 場所:
- 四万十市具同
- 時代:
- 古墳時代
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- 名称:
- 居徳遺跡群
- 場所:
- 土佐市高岡町乙
- 時代:
- 縄文時代
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- 名称:
- 田村遺跡群
- 場所:
- 南国市田村
- 時代:
- 弥生時代