TOP > センター概要・所長挨拶
ごあいさつ
高知県立埋蔵文化財センターは、平成2年(1990年)3月に財団法人高知県文化財団が設立され埋蔵文化財センター準備室を開設、平成3年4月に埋蔵文化財センターが新設されました。財団設立と当センター準備室が誕生し、現在まで30年以上の歳月が経過しています。
埋蔵文化財センターでは、国や県の開発事業等に伴う発掘調査を実施するとともに、平成18年度からは県立施設の指定管理を受けて、施設の管理運営や広報普及事業を推進しております。これまでの発掘調査を振り返ってみると、県の歴史を塗り替える数多くの新発見がありました。
旧石器時代では奥谷南遺跡での細石刃の発見、縄文時代は居徳遺跡群から殺傷人骨や東北地方の土器などが出土し、弥生時代では田村遺跡群で前期の集落跡、古墳時代は伏原大塚古墳の埴輪や古津賀遺跡群の河川祭祀跡の発見などがありました。古代では、近年の高田遺跡の古代道路遺構や若宮ノ東遺跡での県内最大級の大型掘立柱建物跡の発見があり古代土佐国の礎が見えてきました。
中世では、四万十川支流の中筋川流域の具同中山遺跡群や一條氏に所縁のある寺院跡として知られる坂本遺跡、仁淀川流域の土佐市の高岡地域の遺跡や上ノ村遺跡では活発な交易流通が垣間見られ、長宗我部氏の居城である岡豊城跡(国史跡)などの山城調査では戦国時代の群雄割拠の痕跡をつかむことができました。
近世では、高知城跡での石垣解体調査から三ノ丸の長宗我部期の石垣の発見もあり、追手筋遺跡では高知城下町の変遷も徐々に明らかになっています。近代の遺跡では、向山戦争遺跡の調査を通して戦争の爪痕の記録を後世に残すことが出来ました。そうした数々の発掘調査での貴重な発見と共に広報普及事業では、各種展示や県内校への出前授業や埋蔵文化財センターでの様々な体験教室や講座を通して、郷土に愛着と誇りを持てるような人材育成を目指しています。
これからの当センターは、高知県の郷土の歴史を復元できる調査研究・埋蔵文化財の活用を進めていきます。県民の皆様に魅力ある「発掘物語」をお届けし、地域に力を与えることが出来るような埋蔵文化財センターであり続けるよう、日々の研鑽に務めたく思っております。
今後とも末長く、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
埋蔵文化財センター所長
挿絵・浦戸城俯瞰図:香川元太郎氏作画・NPO法人城郭遺産による街づくり協議会
事業概要
高知県立埋蔵文化財センターでは、以下の事業を行っています。
- 埋蔵文化財の発掘調査に関すること
- 埋蔵文化財についての調査・研究に関すること
- 出土品等の埋蔵文化財関連資料の保管・管理に関すること
- 埋蔵文化財に関する資料の展示・公開等の普及・活用に関すること
- 高知県立埋蔵文化財センターの管理・運営に関すること
- その他、埋蔵文化財センターの設置目的を達成するために必要な業務に関すること
沿革
- 平成3年4月1日
- 財団法人高知県文化財団埋蔵文化財センター設立
- 平成24年4月1日
- 公益財団法人高知県文化財団埋蔵文化財センターに移行
公益財団法人高知県文化財団組織
- 総務部
- 歴史民俗資料館
- 埋蔵文化財センター
- 坂本龍馬記念館
- 美術館
- 文学館