古代
考古学で言う古代とは、飛鳥時代から奈良時代・平安時代までを指し、平城京や平安京などの都城を中心とした時代です。この時期、都城で出土する土器と同様な器形・法量をもつ土師器や須恵器などの土器が地方でも作られ、国内の多くの地域で同じ様な土器が出土するようになります。高知県では香美市で須恵器の窯跡が多く確認されており、高知県内でも生産されていたことがわかります。
古代の特徴的な遺跡としては当時の役所である官衙関連の遺跡や寺院跡などがあります。古代の官衙関連遺跡の特徴としては、柱穴が方形を呈していることや建物跡が強い企画性を持って配置されていることなどがあげられます。出土遺物では役人の帯金具や文字がかかれた土器などが出土することもあります。高知県では南国市田村遺跡群や香南市十万遺跡など香長平野で官衙関連遺跡が多くみられます。香南市下ノ坪遺跡は物部川河口に位置する川津として機能した遺跡とみられ、県内最大規模の大型建物跡が企画的に配置されています。また、県内で唯一出土している遺物も多く、長岡京と同形の四仙騎獣鏡や佐波理製容器片、緑釉陶器の火舎など貴重なものが出土しています。
また、古代には仏教文化が入ってくるため寺院が出現します。古代には寺院跡や官衙関連遺跡などでいち早く瓦葺き建物が採用され、寺院跡や官衙関連遺跡では瓦が出土することが知られています。これまで高知県では南国市国分寺跡や比江廃寺跡、高知市秦泉寺廃寺、土佐市野田廃寺などの古代寺院の調査が行われています。野田廃寺は発掘調査で初めてその存在が知られ、古代寺院に関連すると考えられる礎石建物跡が確認されたほか、多量の瓦と共に塼仏などが出土しています。