岡豊城跡
岡豊城跡は、南国市岡豊町に所在し、通称岡豊山にあります。高知県を代表する中世の城郭であり、平成20年7月にその一部が国指定史跡となりました。四国を代表する戦国時代の武将「長宗我部氏」の居城跡で、主郭部は標高97mの山頂部を詰として、東に延びる曲輪を二ノ段、詰を西から南に囲む曲輪を三ノ段、さらに虎口を形成する西曲輪を四ノ段と呼んでおり、各曲輪には土塁跡が残されています。また、詰と二ノ段の間には詰下段と堀切が存在し、堀切には井戸も掘られています。さらに南面と西面を中心とする斜面部には斜面に直行する竪堀群が連続しており、斜面に平行する横堀や帯曲輪、土塁跡も残されています。詰の発掘調査では石敷遺構とこれに伴う礎石やピット群、さらに石敷遺構の西端部には切石が配されており、すぐそばから「おかう之御・・」「瓦工泉刕・・」「天正三・・」と刻された文字瓦が出土しました。このことから入念な石敷きを基礎とする瓦葺きの建物の存在が判明し、重層の建物があった可能性が考慮され、詰における配置から天守的な性格を持つ建物の存在が考えられます。また、渡来銭91枚を中に納めた12個の土師質土器杯が出土しており、地鎮関係の遺構と考えられます。三ノ段では礎石建物群が検出され、さらに、詰の斜面や土塁内側には割石の石積みや階段遺構が確認され、複雑な構造を持っていたことが分かりました。このような調査結果から、岡豊城跡は中世山城として築城された後、長宗我部元親の時代に土佐一国の平定、さらに四国統一と言った動きと連動して、天守や石垣を持つ近世城郭へ移り変わる過程の先駆的な城跡であったと考えられます。
- 所在地
- 高知県南国市岡豊町 GoogleMAPで表示
- 主な時代
- 室町時代
- 主な遺構
- 礎石建物跡・石敷遺構・ピット・地鎮遺構
- 主な遺物
- 土師質土器・備前焼・瓦質土器・貿易陶磁器・銅製品・瓦 他
基本情報
備 考
その他の遺跡
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- 名称:
- 具同中山遺跡群
- 場所:
- 四万十市具同
- 時代:
- 古墳時代
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- 名称:
- 高知城跡
- 場所:
- 高知県高知市丸ノ内
- 時代:
- 近世
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- 名称:
- 向山戦争遺跡
- 場所:
- 高知県南国市伊達野
- 時代:
- 近代
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- 名称:
- 奥谷南遺跡
- 場所:
- 南国市岡豊町小蓮
- 時代:
- 旧石器時代